【私たちが大切にしていること】「寄り添う」とは何か。ラクティが大切にする介護のあり方
「寄り添う」とは、どういうことか
介護の仕事をしていると、「寄り添う」という言葉をよく耳にします。
「お客様に寄り添う支援をしましょう」
「気持ちに寄り添うことが大切です」
では、あらためて聞かれると、「寄り添う」とは、どういうことなのでしょうか。
私自身が経験した、忘れられない出来事
そんなことを考えていた時、私自身の少し苦い経験を思い出しました。
私が20代の頃、訪問介護のホームヘルパーとして働いていた時のことです。初めて訪問する糖尿病のお客様と、コンビニへ買い物に行く支援を担当しました。
今思えば、人手不足もあり、同行指導や十分な事前説明もなかったように思います。
一緒にコンビニへ行き、買い物を始めると、その方は甘いお菓子やデザートを次々とかごに入れ始めました。私は「糖尿病なのだから、これは良くない」と思い、「それはやめましょう」と制止しました。
「孫が来るから買うのよ」と言われた気もします。でも、その時の私は、お客様の背景や想いよりも、「病気なのだから止めなくては」という気持ちのほうが強かったのです。
その後、事務所に電話が入り、私は担当を外されました。
「あの人には心がない」と言っていたそうです。
管理者からその話を聞いた時、とても悲しかったことを今でも覚えています。悪気はありませんでしたし、「お客様のため」と思っていたからです。でも、謝る機会も頂けませんでした。
専門職だからこそ、忘れてはいけないこと
今なら、少し分かる気がします。
専門職として知識や経験が増えるほど、「こうすれば良くなる」「こちらの方が正しい」という答えが見えやすくなります。だからこそ、つい先回りしてアドバイスしたくなる。それは自然なことです。
でも、お客様にとっては、正論を急にぶつけられることが、「これまでの生き方を否定された」「自分の気持ちを分かってもらえなかった」と感じる原因になることがあります。
「寄り添う」とは、相手を理解しようとすること
寄り添うというのは、何でも言う通りにすることではありません。
ただ優しく話を聴くだけでもありません。
まずは、「どうしてそう思うのだろう」「何を大切にしている人なのだろう」と、相手を理解しようとすること。そして、「この人は自分を否定しない」と安心してもらえる関係をつくることなのだと思います。
その土台があって初めて、私たち専門職の知識やアドバイスが、「余計なお世話」ではなく、「助かった」「聞いてよかった」という支援になります。

まずは、お客様の想いを理解しようとすることから始まります。
温かい心と、冷静な頭
私たちは、お客様ととても近い距離で関わる仕事です。時には家族のような気持ちになることもありますし、夜になっても気になってしまうこともあるでしょう。制度の制約の中で、「もっとこうして差し上げたいのに」と歯がゆく感じることもあります。
だからこそ、ラクティでは「温かい心」と「冷静な視点」の両方を大切にしています。
大学時代のゼミの恩師が教えてくださった言葉があります。
「WARM HEART & COOL HEAD」(温かい心と、冷静な頭)
お客様に心から寄り添いながらも、専門職として冷静に考え、最善の支援を届けること。そのバランスこそが、質の高い介護につながると私たちは考えています。

温かい心と冷静な視点。その両方を大切にしています。
ラクティが目指す介護
私たち自身も、ときどき立ち止まって、「本当の寄り添いとは何だろう」と考え続けたいと思います。
これからもラクティは、お客様一人ひとりの想いに耳を傾け、その方らしい暮らしを支えられる介護を目指してまいります。




