自立支援 ホームヘルパーという仕事の役割と意義
おはようございます。
今日は一段と寒いです。すっかり秋になりましたね。
このあたりは稲が色づき、夕焼けに黄金色が輝いてみえる今日この頃です。
さて、先日、あるヘルパーから提案がありました。
「Tさん、最近ヘルパーが料理をするようになったら、『自分が何をしたらいいのか分からなくなっちゃった』と、かえって困っているようなんです。家事をヘルパーがしちゃうより、促したり一緒にしたり、のほうが良いのではないでしょうか?」
Tさんは、軽度の認知症があり、食べたりトイレに行ったりということは自分でできます。が、料理をしたり掃除をしたりということが、気が回らなかったりちょっと億劫だったりで、最近あまり出来なくなっていました。
独り暮らしのかたは、調理が面倒になるとどうしても、「冷蔵庫にあるもので済ませよう」となり、栄養バランスが崩れがちです。
私たちは、体重を週に一度測りながら、調理を行ってしっかりと食事を摂ってもらう様に心がけていました。
そんな時に、前述のようなヘルパーの報告です。
ヘルパーが家事を肩代わりすることで、かえって自立を阻害している状況になっていたようです。
もともと、料理が好きで、出会ったころは「料理は全然苦にならないのよ~」と、毎日台所に立っていたTさん。
難しいのは、夕飯のために今おかずを作っておこうと少し先を考えて行動したり、冷蔵庫にある食材でメニューを考えたり、ということだけです。包丁で野菜を切ったり鍋で煮たり、の機能には全く問題がありません。
私たちは、調理を代行せず、「一緒に料理しましょう、冷蔵庫に○○が入ってますよ」と、声を掛けて行動のきっかけ作りに徹してみました。
すると、別のヘルパーから嬉しい報告が。
「一緒にしましょうというと、最初はすこし渋っていたんですが、立ち上がってエプロンと三角巾つけて台所に立ってくれました。すごく楽しそうな顔してくれて。すっごく嬉しくなっちゃいました!」
とのこと。ヘルパーの顔にも満面の笑みが。
これこそ、自立支援。
なんでもヘルパーがやってしまうのは、簡単です。
でも、できること、できないことを見極めて、『できないこと』が『できること』になるにはどうしたらいい?を考える。
これが、日常生活支援の専門家であるホームヘルパーの仕事と存在意義です。
自分たちの仕事が一層誇らしくなる、仕事の1コマでした。
そしてこうやって、お客様の自立を一生懸命考えるヘルパーに恵まれていること、感謝ですね。