【リフォームのポイント】リフォームと福祉用具、どちらにすべきか?
こんにちは、福祉用具専門相談員&福祉住環境コーディネーターの三友義信です。
お客様から介護保険でのリフォーム(住宅改修)のご相談をいただくのですが、その中でも多いのは『リフォームと福祉用具レンタル、どちらの方がお得?』です。
結論から言います。
私の答えは『ケース バイ ケースです!』。
えー!! なんだそれ、答えになってないじゃないか!
とお怒りにならないでください。
私の考えを詳しくご説明させていただきます。
(もちろん「そうじゃないよ!」と思う方もいると思いますが、あくまで僕個人の感想ですので、そういう方は読み飛ばしてくださいね。)
さて、最近はとっても良い福祉用具が増え、レンタル品の幅もぐんと広がりました。
そのため、実を言うと、
『リフォーム(住宅改修)しなくても、結構なんとかなっちゃう』ことが多いんです。
ですから、基本的な考え方としては、
福祉用具レンタルで十分こと足りる場所はレンタルで、
レンタルでは足りない、向かない場所はリフォームで、
が良いと考えています。
と言っても、どんな場合にはレンタルで足りるのか、というのが分かりづらいですよね。
考え方としては、次のステップをお勧めします。
STEP1.家全体を考え、リフォームしたい箇所をピックアップする(玄関、浴室、トイレ、、、と言う感じに大まかでOK)
STEP2.その箇所ごとに、どんな風にリフォームしたいかを考える(できればケアマネジャーや福祉用具専門相談員などと相談して考えるのがベスト)
STEP3.考えたプラン通りにリフォームするとどの位費用がかかるかの見積もりを取る
STEP4.見積金額が住宅改修費20万円を超えるようなら、プランのなかで福祉用具レンタルで代替できるものは無いか考える
【例】介護保険を利用するのが初めてのかた(自己負担1割)
STEP1.大まかな要望
浴室、玄関、トイレのリフォームを希望
STEP2.具体的なプラン
1⃣浴室
①脱衣所との出入口が開き戸なので折れ戸にしたい
②出入口、浴槽の出入り、浴槽内の3ヶ所に手すりが欲しい
2⃣玄関
上がり框を上がるとき用の手すりとステップ台が欲しい
3⃣トイレ
出入口外側と便座から立ち上がる時用の2カ所に手すりが欲しい
STEP3.リフォーム見積もり
STEP4.プラン見直し
見積金額が住宅改修費上限の20万円を超えました。
プランを見直して、レンタルで可能なものは無いか洗い出していきます。
①リフォームでないと不可能なもの
・脱衣所扉の交換
・手すり4カ所(浴室出入口、浴槽出入り、浴槽内、トイレ出入口)
②レンタルでも大丈夫そうなもの
・トイレ内手すり
・玄関手すり付ステップ台
【リフォーム再見積もり】
【レンタル見積もり】
自身の負担額は、
◎リフォーム代金140,000円の1割負担で14,000円
◎レンタル代金6,000円の1割負担で、月額600円
という結果になります。
もちろん、リフォーム限度額超過分の1万円を全額自己負担して全てリフォームするのももちろん可能です。
その場合は、
リフォーム代金 210,000円のうち、20万円の1割の2万円が自己負担、上限超過分1万円全額負担となるので、
自身の負担額は30,000円ということになります。
お客様(自宅)によっては、
将来的にさらにリフォームする可能性が出て来そうであれば(例えば玄関外にコンクリートでスロープ造設する場合、レンタルでは難しいのでリフォームになります)、
その時に使える様に住宅改修費の20万円の枠をなるべく残しておくため、レンタルで代替できるものはレンタルにしておこう、という判断になるかと思います。
また、他のサービス(デイサービスやホームヘルパーなど)を利用している場合、レンタルにあまり月額費用をかけられないので、多少自己負担が出てもレンタルではなくリフォームにしておこう、という判断もあると思います。
込み入った話になってしまいましたが、、、
どのような場合でも、私が重要だと考えるのは、
「福祉用具と住宅改修の両方をしっかり理解している業者に相談すること」
です。
特にリフォームは大切なご自宅に釘を打つことであり、小さな買物ではありません。信頼できる専門業者へご相談されることをお勧めします。
福祉用具専門相談員 三友義信