ハラスメント対策③ ハラスメントに困った時の当社としての考えと対応
今日は暖かい!と油断して出社したらなんだか寒い。午後になったらパソコンを打つ指先が少し冷たくなってきました。温かいカフェオレを飲みながら打っています。
少し前にパワハラ・セクハラに対する当社としての考え方をブログで掲載しました。社員も読んでくれて、理解納得してくれているようで安心しています。
その中で社員から、「実際現場で大きな声とか出されたら怖くなって冷静に対応できないかも」という話も聞きました。その通りだと思います。
嫌らしいことを言われたり怒鳴られたりするとき、介護の世界に輝く志を持って飛び込んできてくれた人の心が「ギュー」っと締め付けられて縮こまるのが目に見える様です。
何回か続いたら、『もうあんな人のところに行きたくない、怖い』と思うのが普通でしょうね。当然です。
当社では、入社時の研修にて『緊急時の対応』をお伝えしています。
例えば大声で怒鳴られたとき、どうするか?
私は社員にこう伝えています。
第一に、身体に危害が及ぶようであれば即刻安全な場所へ逃げて下さい。自分の身を守るのが最優先です。
そうではなくて、暴力にはならないだろうという確信がある場合(相手が攻撃できないような身体状況である等)。
そして、まずはこう伝えるよう指導しています。
『一生懸命取り組んでいるつもりですが、不十分な点があれば教えて頂けますか?
大きな声を出さずに冷静にお話していただけると大変助かるのですが』
でも相手はヒートアップして怒鳴り声は止むどころかますます大きくなるかもしれません。そうしたら。
『落ち着いてお話し合いをしたいのですが出来ない様であれば、怒鳴られながら本来の仕事は続けられませんので、不本意ですが本日はこれで失礼させていただきます。後ほどあらためて会社からご連絡させて頂きます』
と言って、退室してしまいましょう。
「駄目だよ!もっと怒って収拾がつかなくなるよ!」と思いますか?
そうかもしれません。
「もうあのヘルパーは来なくていい!他のもっとマシなのを寄越せ!と言われたらどうするの?」
そうかもしれませんね。
でも。だとしたら。
それって駄目なんですか?
介護職は利用者の言うことなら全て許容しなければならないのでしょうか?
それっておかしくないですか?
例えば市役所で、怒鳴り散らす市民がいたら、(きちんと税金納めているとしても)危険だと認識されたら警察を呼ばれても仕方ないですよね。
レストランで大声で店員さんを罵る利用客がいたら、店長さんが「お帰り下さい」と言ったとしても責められないですよね?
なのにどうして介護職は、何かされても「プロなんだから」と我慢を強要されるのでしょうか?
それって変です。その考え方、間違っていると思うんです。
お客様は大切です。
介護に限らず商売は、お客様が買ってくれて使ってくれてお金を払ってくれて初めて成り立つものです。
ですが、サービス提供者はお客様の使用人でも下僕でも召使でも無いのです。
あくまでも立場は対等なはずです。
ですから、訪問介護に限らずですが、
利用者からいやらしい嫌がらせや、理不尽な暴言、暴力行為(やそれに近い威嚇行為)を受けたりしたら、毅然とした態度で立ち向かうことが重要だと考えています。
※補足1※
介護保険制度では (提供拒否の禁止)という規定があり、正当な理由なく指定訪問介護の提供を拒んではならない、と定められています。なので、サービス提供が続けられない正当な理由が無ければ訪問をお断りすることはできません。『あのお宅は面倒そうな人だから』のような適当な理由でサービスをお断りすることは有ってはならないことです。
また、サービス困難な状況においても即中止とすべきではなく、本人・家族との話し合いなどの対策を経てから、どうしても解決しない場合は中止となります。その場合も、可能な限り引継ぎ先を見つけるのに協力したり、引継ぎ手順書を作成するなどの準備が必要なのは言うまでもありません。
※補足2※
認知症や精神疾患などから来る行動と思われる場合は、医療を含め他事業と連携を取り、最善の形を見つけていくことになります。ヘルパーが行かなくなる=支援が中断され病状が悪化する、となるのは私達の目指すところではありません。
※補足3※
万が一、ケア途中で退室するにしても利用者が安全な状態であると確認の上で退室します。例えば入浴介助中に途中で帰る、なんてことは認められません。
※補足4※
当社では利用くださる方を全て『お客様』とお呼びします。今回はテーマの性質上『お客様』ではなく『利用者』としています。
代表 三友愛
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